TSUKIKA

日本の伝統技術を用いて世界に向けたあかりデザインを発信したい。
都行燈の強い思いが結実したあかりが月華（TSUKIKA）です。
その実現のためには、普遍的でシンプルなフォルムでありながら、素材がもたらす豊かな質感、製法がもたらす充実したディティールを渾然と調和させることが必須課題と考えて商品開発に取り組みました。
 
職人の熟達した技術により、三角形を組み合わせた木組みは釘などは一切使わず、あくまでもスッキリとボリュームのある球形を形作ります。木枠には日焼けしにくい白木を厳選し、外側に和紙を貼る方法（「豆腐貼り」と呼びます）で仕上げているため昼の消灯時には外光を受けて純白のオブジェとしてインテリアに調和し、夕闇が迫ると幾何学的な木組みがシルエットとして浮かび上がり、手漉き和紙の優しい拡散光で空間を照らします。
 
和紙の貼り方には全面一重貼りと、二重と一重が交互に貼られた2タイプがあり、後者は微妙な陰影の表情が生まれ、器具の存在自体を楽しむことができます。
フロアランプとペンダントの2種類があり、ソファサイドの床置、テーブル上への吊り下げなど、光源の高さが調節でき、個人住宅、公共、商業空間で様々な使い方ができます。
和紙は経年変化で汚れ、破れることもありますが、貼り替えができるので、時代に左右されないデザインと相まって機能的にも世代を越えて使い続けていただける器具です。
 
月華は発表以来25年を経て、現在では都行燈の代表的デザインとして世界中で注目を集め、北欧やアメリカでも現地のインテリアに調和してユーザーに喜ばれています。