2-5 光源について 【LEDのブルーライト】

miako andon LED table lamp 光源について

2-5 光源について LEDのブルーライト】

ブルーライトというのは可視光線の波長域の中で特に短波長の青成分を多量に含む部分の事を言い、近年これが人間の身体に害があると言われているものです。今のところ医学界ではこのブルーライトが睡眠と深く関り眠れなくなることにより生体リズムが狂うと言う症状が臨床試験で証明されていますが、その他については様々な説があり実証されておりません。

LEDのブルーライト分光

 

ブルーライトはLED照明だけでなくテレビ・PC・スマホなどからも出るので照明に限った話ではないのですが、最近のLED照明はメーカー間の効率競争によりかなりパワーアップし、直視すると生体リズムを狂わすだけではない恐れがあると考えています。臨床試験が進み何らかの問題が発見された時にはすでに遅い、ということの無いよう今から安全な使い方が啓蒙されるべきだと思います。LED]以前の従来光源(白熱電球や蛍光灯)は可視光線以外の赤外線や紫外線が多く含まれていたため全エネルギーに対するブルーライトのウエイトが少なかったのですが、LEDはほぼ可視光線だけなのでエネルギー分布の中でブルーライトが特別に強調されてしまいます。さらに元々青色発光ダイオードに黄色の蛍光体をまぶして白い光を出す構造(下図)なので、主成分がブルーライトであると言う発光原理の宿命を持っている訳です。

 LED素子の構造

昼白色と電球色の違いは多少あります。電球色は赤の成分を蛍光体に足していますので全エネルギーのブルーライト比が多少低くなります。しかしいずれにしても青色発光ダイオードで発光しているのは変わりませんので安全性を考えるにあたっては同様に対策したほうが良いと思います。

 

それではどのようにLED照明器具を使用すればよいか、現時点での照明器具について触れたいと思います。まずLED素子が剥き出しの照明器具に注意してください。一般的にダウンライトやスポットライトは剥き出しの確率が高くなります。消灯時に正面から見て黄色いチップが見えたら(下写真)これがLED素子だと思ってください。私たち素人は黄色に見えるのでまさかブルーライトが出るとは思わないのがネックです。そして器具が下を向いて設置されていれば危険度が大です。特に子供部屋、幼児、ベビーベッドがある部屋では使用しないほうが良いでしょう。勿論表面にカバーがあるものやフィルターが付いていればOKなのですが、前述のように明るさの競争で開発されたカテゴリーなので、わざわざ暗くなる加工はしていないのが普通です。

 黄色いチップの裏に青色素子がある

シーリングライトなどもカバーで覆われていますので安全性が少しはありますが、出来るだけ直視しない場所に設置されると良いでしょう。ダイニングの上に設置するとリビングの低い位置から見上げる状態になるので注意しましょう。

miyako andon LED wall lights 間接照明のブラケット

最も安全に使用できるLED照明は「間接照明」です。一度壁や天井に光を当てリバウンドした光で明るくするので光源直視がまず起こらないであろうと言う理由です。例えばカーテンボックス内に設置するテープライト、壁に付けるブラケットの中でも上下に光が出るもの、下駄箱の下に設置するフットライトなど程よい明るさと光のグラデーションにより美しさも加味して安全なLED照明と言えるのではないかと思います。

(次回もお楽しみに)

(文/河原武儀氏)



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