1-1 灯りの効果
【「あかり」と呼ぼう照明器具】
かつて照明器具は「デンキ」と呼ばれていました。
スイッチの方を指さして「デンキ点けて」と言いませんでしたか。そう!照明器具は「設備」に属していたと思います。洗濯機や冷蔵庫と同じ仲間で、町の電気屋さんで売っていた訳です。今でもその傾向は強いようですが、もう古い考え方です。照明器具は「インテリア」なのです。家具やカーテンと同じ仲間なのです。なぜなら照明器具で生活を楽しめるからです。照明器具によって食事を楽しめたり、私たちの顔や服装を美しく見せたり、お子様の描いた絵を飾って明るくしてあげたりするものになっています。それは「デンキ」ではなく「あかり(明かり・灯り)」なのです。これからはそう呼びたいものですね。このブログでは初めて読む人の誤解を避けるために「照明器具」と書かせて頂きますが生活の中では「あかり」と呼びましょう。少なくとも「デンキ」ではないと思います。
さて、その「あかり」と呼ぶのに相応しい照明器具をご紹介しましょう。私が今一番大切にしている「あかり」はダイニングテーブル上のペンダントです。ペンダントはその名の通りネックレス等のアクセサリーです。照明器具では天井からコードやワイヤーで吊ったもの。インテリアのアクセサリーに成り得るものです。良いインテリアには人の目を引くポイントが必要です。最も効果的で美しいインテリアになるのがペンダントです。お友達が遊びに来た時、リビングソファに座って「素敵な照明器具ね!」と指さすことになる、将にポイントになります。決して天井を指さし「素敵なダウンライトね」なんて言わないでしょう?
このペンダントはインテリアのポイントになるだけではありません。ペンダントからダイニングテーブル上の食べ物や食器を明るく照らして色彩や光沢を生み、美しさや高級感が楽しさを倍増するのです。そしてテーブルに当たった光は、それだけでなく反射して(光がリバウンドするという)座っている貴方の顔を美しく魅せます。自分の顔は見られないって?そうですね!でもお友達が来た時にはお互いに得ですね。(コロナで人数は制限してください)又、私のような高齢者はペンダントが読書の役割を果たします。十分明るいので老眼にとって助かるのです。
ペンダントは趣味性が強いので自分の好みで選んで構いません。私は数多い種類の中でも和紙と木枠で作られた「月華(つきか)」のような素材が一番好きです。和紙は光の透過率がほぼ50%と言われており、透過光が眼に優しく気持ちが良いのです。金属製の物でも好きなものはありますが、光が透過しないので暗く感じてしまいます。又ガラスで出来ているものは明る過ぎて私の眼には眩しいのです。又木枠は9mm以内の幅で作っているそうです。それよりも太いと強度は良くなるのですが、枠の影が沢山出てくるそうです。繊細ですね。こんな手作りのものが手に入るなんて日本は幸せな国だなあ、と思います。
あかりのある生活、和紙や木の温もり、透過光の優しい光、あなたも楽しんでみませんか。
(次回もお楽しみに)
「文/ 河原 武儀氏」
和風照明器具のミヤコアンドン 都行燈株式会社
Japanese lamp atelier
公式サイト https://www.miyako-andon.com/